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WEEKEND(洋画)ネタバレ感想


『WEEKEND ウィークエンド』9/27(金)公開

 

www.finefilms.co.jp

いやーーーーーーーーーいい映画だった…泣いちゃった……いい映画だ……
こんな商業BL読みたい大賞ですよ……

 

ただただ2日と半日の間のふたりの生活を撮っているだけに見えて、
すっっっごく緻密に丁寧に伏線が張られているから余白ですら情報量過多なの

でも映像はやわらかな風が吹き込んでいるような余韻が美しく保たれてるのがほんとすごくて、
この監督にジカプの同人誌(?)描いてもらいたい


途中2人の口から生い立ちが明かされるんだけど、

明かされなくとも何となく2人がどういう人間なのか分かるし、
打ち明けられた時に、ああだからそう言ってたんだってストンと落ちた

2人交わす会話が多くて、言葉での”目に見える”やり取りに滲み出る二人の物事の捉え方、人との接し方、共鳴して変わっていく考え方はもちろんのこと

セッ久や仕草やたばこ、飲み物、起きる順番…とかいろいろ言葉以外で伝えてくるものがすごくて!!!
公式パンフにあった、眺めのいい窓から見える、帰っていくグレンの後ろ姿の3日分の変化もそうだし、
2人の服の色、コーヒーの淹れ方、食事、テープレコーダー、ユーズド家具、酒の飲み方、いろいろ…本当に…こういう心情描写の暗号になってる演出だいすきだから思い出しながらめそめそしてしまう
全てに意味がこもってる・・・・

グレンは持ってきたコカインめちゃめちゃ吸うんだけど(たぶん寂しさと単身渡米と美大生活への不安で潰れそうだったのをプライドの高さゆえに抱え込んでる)、
それに対してラッセルは、たぶん素行の悪い同僚に貰ったものの勇気が出ずにずっと財布の底に隠されてたんじゃないかな?てかんじの“とっておきのマリファナ”を出してくる
この対比がすごくすき
やってることはどうしようもないんだけど、よい
それでラッセルは一口吸ってタバコ吸ってるグレンに渡す
“交換だ”てグレンが笑って受け取るんだけど一口吸って苦笑して(しけてるだろうし)、
そのあとすぐに「ごめんね」てさっきまでの言い合いを謝れるラッセルの誠実さが良い…
でもグレンも自分が荒れてたし、グレンのスタンスも変えることもできない
だからラッセルは悪くない、謝っても仕方のないことだから
その話は終わり、て優しくキスするのが いいね… 最高だったね…


そしてふたりの孤独の種類が正反対だったの因果すぎてしんどい

孤児で施設育ち、特別扱いしてくれる、愛を独占できる絶対的な拠り所がなく
人に優しく問題も起こさずが基本なせいでカミングアウトできず
夜の街で不倫や一夜の関係ばかりしかとれなかったラッセルと

自由で打たれ強く見えるけど
実はカミングアウトに失敗して周囲に突き放され
挙句出来た恋人に浮気され恋愛自体に臆病になり
狼になって周囲のストレートに噛み付くしかなかったグレン

ラッセルは怒ったりやけくそになったり逃げようとするグレンに
痛いくらい生真面目に誠実に相手をするし

グレンはラッセルの境遇を憐れまずに笑い飛ばし
好きなようにやれば良い、無理はしなくて良いと放任して、
それでもちゃんとラッセルの言葉を覚えていて、
まるでふざけてるかのような切り口で、認知の歪みで凝り固まったラッセルの孤独をほぐしてくれた

この流れがほんとうにすき
ぶつかった後に救い合う流れ、じんわり泣いた

関係を持った人に自分と体をつなげた理由を問い続けた
関係を持った人に今までの恋愛経験を聞き続けた
それを音源と日記という違いはあるけど貯め続けたふたりは、
自分を証明しないと消えてしまいそうなほど自分の存在が不安定だったのかな
それが必要なくなるような人に、
たとえすぐ別れが訪れてしまったとしても、出会えてよかったなあ・・・

 


ラスト、2人とも口調が荒れていくんですよ
fxxkの割合がどんどん増えてくんですけど、
それって、別れが耐えられないくらい寂しいのを、
好きでどうしようもないのを、必死にごまかしてるんだ、て気づいてから
まだ何気ないシーンであるはずなのに迫り来る別れの日がつらくてボダボタ泣いちゃった

取り繕ったりする余裕もなく本心から話してるんだってよーーーくわかった つらい

それでも正反対の2人が無い物ねだりしたものを与え合えたのは紛れもなく愛で、

性格が正反対でも同じように孤独を感じていたからこそ共鳴できて救い合えたのかなと思う
良…


の後いろいろ葛藤を乗り越えての ラストのね、、、!!!
お互いの弱さを克服してみせて覚悟を見せて、、、愛の証明なん、、!!!!!!
グレンの会いにくるなよ、クソ、何で会いに来たんだ、ってグズグズに泣いちゃうところ、
本当にQEDてかんじすぎて、
もうずっと画面歪んでた


ラストお別れのところ、本当全部が今までの2人が交わしたいろいろが起こした行動で作られてて
きっと出会う前の二人はこうできなかったし、
影響を受けて変われたこと、根本的に変わるのは無理だったとしても
彼のためにやりたいと思えた(思わされた?)

この見事さを全世界に知ってほしい 思い出すたび泣く ああーーーーー円盤が欲しい あと3000回見たい

会ったばかりのグレンはさっさと抱くし、「恋人は作らない主義」と言ってたのに、
ラストはやさしいし救いの言葉をあげるし
翌朝早起きして慣れない仕草でプルプル震えながらコーヒー入れてくれるし
たった2日の関係のくせに別れるのが自分でも戸惑うぐらいつらくて、
いつ出発なのか訪ねてくるラッセルに「予定あるならどうせ来ないでしょ」ってたどたどしく答えをはぐらかすし、
その上で見送りにちゃんと現れたラッセルに「何で会いにくるんだよ、クソ」って泣いちゃうんだよ
本当に今までで一番つらそうに泣いてて、ラッセルが抱きしめるのに縋り付いちゃう
それでラッセルが街中でキス(!)してくるのに応じて、心無い人がホモ野郎!て野次飛ばしてくるのに「かまうな」て言う
ラッセルはそいつらのいる方向を責めるように、怯まずに睨む
おとといの二人から正反対の行動で、すごい変化 愛……

そのあとにゲイルからラッセルに渡されるプレゼントで涙腺崩壊するんでまじで


あとメインカップルの親友ポジ、良い子の法則

ジェレミーいいやつだった ジェレミーのおかげでふたりは救われたよありがと〜〜〜〜〜〜〜〜〜ていうかジェレミー顔がいいんだよな・・・ラッセルの同期のジェレミーという可愛くてさっぱりした男性が出てくるんですが、”兄弟みたいに仲がいいからそういう目で見たことないよ”というラッセルに、実は昔恋したことあるんじゃないかな?(からの勝手に失恋の流れ)て思った 腐女子はそういうの詳しいんだ


男同士は付き合うなんて無理だよ、の流れではなくて、

これは別にゲイが普通に(ガチガチに弾劾されずに、といういみで)存在している世界で、
でも理解のない人ももちろんいて、ゲリラ的に攻撃してくるっていうリアルさがまたヒュッ…てなる
ていうかこんなにやってる映画はじめてだったんだけど…えっ…?俳優…え???入ってたよ
やってる風だな、てわかる映画ばっか見てて…うそ……?
雰囲気じゃなかった、入ってた、なんだあの巨大モザイク(中学生)
入ってなかったとしても実物がお隣におられるでしょ

いやちんこはともかくほんとに映像と会話だけで人間2人の生い立ちや感情が立ち上ってくる素敵な映画でござった
監督はとてもうまい……余白の美だった
ゴンゴン泣かされるのではなく甘くて切ない神経毒がゆっくり回るタイプの映画

米津のアイネクライネがめっちゃ合う…!そんな映画だった!!!!!ゲイ出なくてもとてもよいロマンス映画だったと思うけど、あの関係は男2人じゃないとできなかったなあ、、と思って、良…

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確かな拠り所が欲しかった、心から自分を愛し自分が愛せる人が欲しかった
無い物ねだりして困窮してたけど、たった2日感でもお互いに出会えて救い合えて…
今日からの日も海を隔ててしまっても頑張って生きていけるよ 世界を愛して生きていけるね


思い出し泣きしちゃうんだけどこんなにこんなにいい映画ある?
頑固者とお人好しのどうしようもない2人だったけど愛は本物だったよ